「交流用の」キャラクターを考えるということ
ご存知の方もはじめましてな方もどうもです、富井 真です。
記念すべき最初の1記事目!何にしよう!…と思ったんですが、最初はコレしかないでしょ!ということで早速。
交流用の創作キャラクターの設定を考える為のポイント的なお話しをさせて頂きます。
1. 「交流用」というのが大前提
私の経験上、意外と多いなというのが、
「物語の為に作るキャラクター」と「交流の為に作るキャラクター」が同じだと思ってる人です。
これね…全っ然違うんですよ。これの違いは何かっていうと、
- 「物語の為に作るキャラクター」は決まった役割を持ち、物語の目的の為に動くキャラクター。
- 「交流の為に作るキャラクター」は、そのキャラクター個人の役割や目的があっても、明確なポジションや今後の展開が全て交流如何で変わってくるキャラクター。
という部分です。
つまりどういうことかというと、前者は物語の進行に左右され、物語が終わればそのキャラクターの役目も終わるんです。
これは二人以上で集まって皆で物語を考える、いわゆる「合同創作」でも同じです。
で、後者は軸となる物語が無く、代わりに交流というシナリオの決まっていない全く未知数の軸だけがあるわけです。極端な話、交流さえ続けばそのキャラクターは永遠に動き続けるんです。
で、「物語の為に作るキャラクター」は…その物語がほのぼの日常系とかだったらその限りではないんですが…大抵はキャラクターの役割が決まってしまっているが為に、交流する余地が発生しづらい傾向にあります。
交流する余地のあるキャラクター、つまり交流如何でいくらでも設定が増減するキャラクターが「交流の為に作るキャラクター」です。
2. テンプレとデータと掘り下げ
でもそもそも、キャラクターって
どうやって作るの?
キャラクターを考える手順というのは、人によって違うかと思います。
ビジュアルを考えることから始める方もいれば、大まかなプロフィールを考えことから始める方もいるでしょう。
しかし実は、交流においてはビジュアルよりも設定の方が圧倒的に大事な要素になります。
キャラクターを構成するこの「設定」というのは、富井的には大まかに「テンプレ」「データ」「掘り下げ」の3つに細分化されます。
1つずつ解説していきます
- テンプレ
よくある「眼鏡優等生」や「ドジっ子美少女」のような、ざっくりとしたそのキャラクターの❝キャラ付け❞ - データ
性別や年齢、身長や体重といった、そのキャラクターの❝基本となる情報❞ - 掘り下げ
上記の二つをさらに詳細に説明する情報
1つ目のテンプレは、誰にでもすぐできる工程です。ただ想像すれば良いだけです。
例えば自分の好きな異性のタイプが「イケメンで金持ちで優しい」だとしたら、もうそれだけでキャラ付けになります。
…あ、富井の好きなタイプではないですよ?(笑)
2つ目のデータは、言い換えれば「それ以上でもそれ以下でもない事実」です。
例として、先述の好きな異性のタイプで出てきたイケメンにデータを付加してみます。
- 性別は男性
- 国籍は日本
- 年齢は20歳、現役大学生
- 身長は180㎝
- 年収は2000万
…といった具合です。
テンプレで挙げた「イケメン」と「優しい」は、「事実」ではなく「抽象的な印象(人によって異なって感じる可能性がある要素)」になるので、次の掘り下げで使用する要素となります。
3つ目の掘り下げは、テンプレとデータをさらに詳細に説明する情報です。
例のイケメンをさらに掘り下げてみます。
- 現役大学生でありながら会社を立ち上げたやり手。
年収が2000万を超えるほど大成功している。 - 180㎝という高身長に加えてイケメンなので、めっちゃモテる。
- しかも誰にでも分け隔てなく接することのできる人格者なので、それはもうモテる。
…どうでしょう。自然と「とにかくモテる」というキャラクタービジョンが発生しました(笑)いや、こんなんモテるしかないやろ(笑)
ここまでのキャラクター作りの手順は、実は「物語の為に作るキャラクター」でも「交流の為に作るキャラクター」でも大した差はありません。
強いて言うなら、前者では2つ目のデータの段階で「物語上でのポジション」を与えるぐらいでしょうか。
例のイケメンがもし「物語の為に作るキャラクター」であれば、主人公か脇役かで大分変わってくるでしょう。
では、どこからその2つに明確な違いが出てくるのか?それはこの次の項目で決まります。
3. 掘り下げを深堀りせよ!
さて、ここまででもうかなりキャラクターが出来上がってきた感じがしていますが、実は「交流の為に作るキャラクター」としてはこのままでは不十分です。
キャラクターを木に例えると、情報(テンプレ、データ、掘り下げ)の数は枝の数に当たります。
ただ枝分かれして情報がたくさんあるだけでは、見る側は「枝がいっぱいあるなぁ」としか思いません。
その枝の先にはどんな形・大きさ・色の葉が付いているか?花は咲くのか?実はなるのか?ここまで考えてやっと掘り下げの深掘りになります。
テンプレが主語、データが述語だとすれば、掘り下げは修飾語になります。
修飾語は追加されればされるほど物事が詳細に、具体的になっていきますよね。
それをキャラクターの設定でやっていくわけです。
では、例のイケメンでやってみましょう。
- テンプレ
イケメン・金持ち・優しい - データ
・性別は男性
・国籍は日本
・年齢は20歳、現役大学生
・身長は180㎝
・年収は2000万 - 掘り下げ
・現役大学生でありながら会社を立ち上げたやり手。
年収が2000万を超えるほど大成功している。
・180㎝という高身長に加えてイケメンなので、めっちゃモテる。
・しかも誰にでも分け隔てなく接することのできる人格者なので、それはもうモテる。
ここに「交流で関わったら面白そう」と思ってもらえるような❝フック❞を追加します。
一番印象に残りそうな要素(テンプレ)をもっと大げさにしてみたり、「何故そのようなデータ(事実)になっているのか」という理由付けをしたりすると良いと思います。
このキャラクターで富井的にフックを作れそうだなと思ったポイントは、
「イケメンでモテること」と「若くして会社を立ち上げて成功している」という部分です。
前者は大げさにすることでコメディ要素を濃くすることができますし、後者は「何故会社を立ち上げるに至ったのか?」を考えると、彼の生い立ちや思想などを考えることができます。
では、試しにこのイケメンをコメディ寄りのキャラクター像にしてみます。
【完成したキャラクター像】
- 現役大学生でありながら会社を立ち上げたやり手。
年収が2000万を超えるほど大成功している。
180㎝という高身長に加えてイケメンである為「イケメン過ぎる若手社長」として話題になっている。 - 誰にでも分け隔てなく接することのできる人格者なので、それはもうモテる。
でも分け隔てなさ過ぎるせいで、勘違いしてしまう女子を続出させてしまう。
ちなみに悪気は全く無い。恋愛には全くと言って良いほど鈍感。 - 会社を立ち上げたのには実はそんなに深い理由は無く、たまたま自分が考えたアイディアを実行したら成功したに過ぎない。
彼の人生はずっとそんな感じで、なんとなくしたことが全て上手くいってしまう。それは何故かというと、幸運の女神にベタ惚れされているからである。
だからもし彼に向かって銃を撃ったとしても、弾道が不自然に曲がったりして助かる。
なんか最後にとんでもねぇ設定を付けてしまいました(笑)
富井的にとにかくモテてそうな印象を受けたので、もう人類を通り越して女神にもモテさせてみました。
それで、なんかラッキーでやってきた人生っぽいから、深く物事考えなさそう。簡単にお金貸してくれそう。
しかも幸運MAXだから、一緒にいれば良いこと起こりそう。ゾンビがはびこる世界でも一緒にいれば生き残れそう。
…なんか色んな想像ができませんか?
そうです、これが掘り下げを深掘りするということです。
見る側にたくさん想像させることができれば大成功なのです。それがそのまま交流の余地に繋がるというわけです。
これが「物語の為に作るキャラクター」だった場合は、この想像させる部分を全て物語を展開することで見せていくのですが、「交流の為に作るキャラクター」は交流する中でそれを見せていきます。
交流は物語と違って誰も何が起きるかわからないものです。作者でさえもわからないキャラクターの一面が不意に見えてくることもあります。
それが創作キャラクター交流の醍醐味ですね。
以上が富井流の
交流用キャラクターの作り方です
参考になりましたでしょうか…?
基本的なキャラ作りは大体このやり方でできますが、他にも工夫できるポイントや注意すべきポイントはたくさんあります。
そのあたりの話を今後どんどん発信していければなぁと思っています。
それでは、今回はこのあたりで…☆
最後まで読んで下さりありがとうございました!